2011年モデル ビデオ問題を考える

Macの修理

2011年モデル

2011年モデル が壊れて壊れて止まりません。

2011年といえば、東日本大震災の起きた年です。
仙台に居を構える私も色々ありました。
(現在、東京に単身赴任中なんです…)

そんな2011年モデルのMacにビデオ関係の故障が多発しています。グラフィックカードやグラフィックチップ、あるいはその周辺の故障によって引き起こされる障害で、Appleでもリペアエクステンションプログラム(いわゆる車の「リコール」と同じでメーカー無償修理)で対応しなければいけないほどの問題でした。

でした。と過去形で書きましたが、実は今も故障が続いております。ではなぜ過去形?

それは、発売から5年経過したことでAppleのサポートが終わってしまった機種だからです。同時にリペアエクステンションプログラムも終了しました。2016年12月31日が最終日でした。しかし、当該機種のユーザーは今なお多数おり、マシンは現役バリバリで活躍しています。特にMacBook Proの17インチのユーザー様は直して使い続ける方が多いです。もう17インチのMacBookはありませんから。

2011年モデルの全てが悪い訳では有りません。下記のモデルが問題のモデルです。

  • iMac 27″/21.5″ Mid 2011
  • MacBook Pro 15″/17″ Early 2011
  • MacBook Pro 15″/17″ Late 2011

ディスプレイの大きさに違いはあれど、この問題を内包しているのはこの3機種だけなんです。他の年式のMacもグラフィックが壊れますが、ここまで頻発はしません。共通点は、グラフィックチップ。AMD Radeon HD 6750もしくはAMD Radeon HD 6770を使用しています。なお、MacBook Proの13インチはグラフィックチップを搭載していない(CPUがグラフィックも兼務)ので、2011年モデルでもこのビデオ問題に発展することはありません。

また、MacBook Pro 15″ Retinaディスプレイモデルは、今もリペアエクステンションプログラムで修理対応となっています。

MacBook Pro ビデオの問題に対するリペアエクステンションプログラム
(Apple公式サイトより)

また、上記モデルはディスプレイのコーティングも剥がれやすいので、もし剥がれてしまっている場合は、それも一緒に言うと新しいディスプレイに交換されて帰ってくるかも知れませんよ!?

2011年モデル 公式な修理は終了

今日現在(2017年9月)、2011年モデルは壊れてもAppleさんでは修理してもらえません。でも、機械にはそんなこと関係ありませんので、今も毎日どこかで壊れ続けています。どうします?修理屋としては修理しますよ、そりゃ。

例えば、MacBook Proのロジックボードの交換や、iMacでのグラフィックカード交換でしたら私でも修理可能です。一般の方から見たら難易度が高いですが、プロであれば問題なくこなす修理です。しかし、基盤ごと交換となるので費用がかさみます。また、MacBook Proの場合はロジックボードの交換でシリアルNOが変わってしまい、一部アプリは再度アクティベーションが必要です。アプリのアクティベーション情報をお持ちでしたらいいですけど、もしもう持っていなかったら?

そこで、基盤はそのまま使い、壊れた箇所だけを修理できないかと考える訳です。多くの場合、基盤上のグラフィックチップ(以下GPUと表記)が壊れていますので、これだけ基盤方剥がして交換できないものかと。

できるんです。

ただ、残念なことに私にはできません。リボールと呼ばれる作業なのですが、専用の高額かつ大型の機材が必要な上に、経験や知識も問われる作業だからです。一般のパソコン修理店で、自前でこの作業ができる店は無いと思いますよ。多くが外注に出しているはずです。それでも自社修理と言ってるお店もあるみたいですが。外注を自社修理と謳う店は明らかに嘘つきですね。ご利用するかどうかはお客様次第ですが。

ということで、当店では、外注になりますが、基盤上のパーツ交換での修理も対応しております。こちらですと、基盤交換に比べて安くすみます。ただ、デメリットもあります。

この基盤修理は必ず成功する訳ではなく、基盤の状態が悪いと、チップを交換しても症状が治りません。また、初期不良などで、短期間のうちに症状が再発することがあります。もちろん保証期間を設けておりますので、その間に再発した場合は、返金、もしくは再修理で対応させて頂いております。

ただ、一度再発した基盤は、再修理しても再々発する確率が高いですね、経験上の話。修理後、再々発した基盤は修理不可と判定されることほとんどです。状態が悪く、修理で改善の見込みが無い場合は基盤そのものの交換しか直す方法がありません。

2011年モデル 概算の修理費用

費用は、その時の相場で変動しますので、目安程度にお考えください。

iMac
グラフィックカード交換 8〜10万円前後
グラフィックカード修理 6万円前後

MacBook Pro(17インチの方が若干高いです)
ロジックボード交換 9万円程度
ロジックボード修理 7万円前後

いずれにせよ、安くない修理になります。それでも、新しいMacBookProを買うよりは安いですし、使い慣れた愛機を使い続けるのは気持ちが落ち着くものです。2011年モデルは、今のMacと比較しても実務上差し支えるような大きな性能差がある訳でもありません。数字を気にするマニアには何を言ってもダメでしょうけど、一般的な使用方法であれば性能差は体感ではわからないはずです。

ちなみに、MacBook Pro 2011モデルのロジックボードですが、新品はもう手に入りません。中華製の怪しい新品基盤なら入手できますが、中国人でさえ「ありゃダメだ」と言うほど質が悪いそうです。安い訳でもないですし、私は使いません。

2011年モデル ビデオ問題の典型的な症状

ビデオ問題の症状は非常にわかりやすいのが特徴です。

  • 再起動を繰り返す
  • 起動時にAppleロゴでフリーズ
  • 起動時にAppleロゴの後でグレーアウトかシャットダウン
  • 画面の表示がおかしい(Appleロゴが歪むなど)
  • 画面に太い縦線のストライプが入る(色はバラバラです)
  • 画面に大きめのドットが無数に表示される

他にもありますが、代表的なものを挙げてみました。ついでに写真も掲載しますので、もし思い当たるフシがございましたら、お気軽にご相談ください。できるだけ安く修理する方法を、お客様と一緒に考えてみたいと思います。

2011年モデル GPU問題GPU2

 

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